- 良く聞くプロジェクトファイルって何?
- 別のPCで編集データの再編集をするにはどうしたら良い?
- プロジェクトデータファイルを渡すときに注意すべき点は?
クライアントが希望する納品方法の中には、動画ファイルだけではなく、クライアント側で再編集が可能な『プロジェクトファイル形式』での納品を求められることも多くあります。
動画編集のデータ共有をする時にクリエイター初心者がよくやってしまう間違いが、Premiere Proの「プロジェクトファイル(.prproj)」のみを送るという間違いです。

プロジェクトマネージャー機能とは

プロジェクトマネージャー機能とは、プロジェクトで使用されている各データファイル(素材動画や画像、効果音など)とプロジェクトファイルをまとめて出力してくれる機能です。
動画編集の際に使用した各データファイルが入っていないPCでプロジェクトファイルを開くと、「メディアオフライン」という表示が出てきてデータファイルが正常に表示されません。
その他にも、データファイルの『ファイル名』や『保存場所』に変更がある場合には、ファイルのリンクが切れて、「メディアオフライン」となります。

こうしたプロジェクトファイル納品の場合に、今回解説する『プロジェクトマネージャー機能』の使い方が分からないと、納品がスムーズに行えず信頼を失う原因になってしまう可能性がありますが、『プロジェクトマネージャー機能』を使うことができれば、やりとりもスムーズに進み、その他大勢の動画編集者と差をつけることも可能です。
この記事では、動画編集う初心者の方向けに、Premiere Proの『プロジェクトマネージャー機能』の使い方について解説いたします。
プロジェクトマネージャーは編集者として必須の機能です
プロジェクトマネージャー機能の使い方

具体的に作業をしながら説明していきます。
行程はとても少ないのでとても簡単です。
1. 「ファイル」から「プロジェクトマネージャー」を選択

まずは、該当のプロジェクトファイルを開いた状態で上部のメニューバーの中の「ファイル」から「プロジェクトマネージャー」を選択します。
2. ダイアログボックスの設定

- ダイアログボックスが開くので、『シーケンスの欄』の中から必要なシーケンスにチェックを入れます。(複数選択可)
- 『処理後のプロジェクト』は初期状態の「ファイルをコピーして収集」でOKです。
- オプションは好みにより異なりますが、こちらも初期状態の「未使用のクリップを除外」「最適化したオーディオファイルを含める」「プレビューファイルを含める」「クリップ名に合わせて実際のファイル名を変更」の4つにチェックを入れています。
- 保存先パスでは、プロジェクトマネージャーの保存先を選択します。
- 『OK』ボタンを押すと、保存先として指定したフォルダに、編集で使用している各データファイル(素材動画や画像、効果音など)とプロジェクトファイルが出力されます。
プロジェクトファイル一式の納品を求められている場合は、このフォルダごと送ってあげればOKです。
3. オプション内容の説明

未使用のクリップを除外
元のプロジェクトファイルで使用されなかったメディアを含めないよう指定することができます。
予備フレームを含める
トランスコードした各クリップのインポイントの前とアウトポイントの後に保持する追加のビデオフレームの数を0~999フレームの値で設定することが可能です。
例えば、30 という値を指定すると、インポイントの前に 30 フレーム、アウトポイントの後ろに 30 フレームが保持され、新しいプロジェクトの編集に調整を加えることが可能です。
オーディオ最適化ファイルを含める
元のプロジェクトファイルで最適化したオーディオが、新しいプロジェクトファイルでも最適化された状態になります。選択しない場合は、新しいプロジェクトファイルが占めるディスク容量が少なく済みますが、ファイルを開く際に再度オーディオを最適化します。このオプションは、「ファイルを収集してコピー」を選択した場合のみ使用が可能です。
イメージシーケンスをクリップに変換
プロジェクトマネージャーで静止画像ファイルのシーケンスを単一のビデオクリップに変換するように指定します。ここで、各静止画像がビデオの 1 フレームになります。このオプションを選択すると、再生パフォーマンスが向上することがあります。
プレビューファイルを含める
元のプロジェクトファイルでレンダリングしたエフェクトが、新しいプロジェクトファイルでもレンダリングされたままになることを指定します。選択しない場合、新しいプロジェクトファイルが占めるディスク容量は少なく済みますが、エフェクトはレンダリングされません。このオプションは、「ファイルをコピーして収集」を選択した場合にのみ使用が可能です。
クリップ名に合わせて実際のファイル名を変更
コピーしたフッテージファイルの名前をキャプチャ時に作成したクリップの名前に変更します。プロジェクトウィンドウからキャプチャしたクリップの名前を変更して、コピーしたフッテージにも同じ名前を付ける場合、このオプションを選択します(読み込んだキャプチャファイル、特にシーン検出を使用したキャプチャファイルの名前が分かりやすくなければ、プロジェクトウィンドウで変更できます)。このオプションでは、実際にキャプチャしたフッテージのファイル名が、プロジェクトウィンドウの新しい名前を反映して更新されるため、フッテージファイルの整理が非常に簡単になります。MXF ファイルについてこのオプションを選択しても、そのファイルの XML 内の User Clip Name は変わりませんが、トリミングされたプロジェクト用にコピーされたクリップのファイル名は、プロジェクトパネルに表示されるクリップ名と合わせるために変更されます。
After Effects コンポジションをクリップに変換
プロジェクト内の After Effects コンポジションを統合されたビデオクリップに変換します。
動的にリンクされた After Effects コンポジションがプロジェクトに含まれている場合、このオプションを選択すると、コンポジションがビデオクリップに統合されます。このオプションを選択するメリットは、After Effects がインストールされていないシステム上でも、変換されたビデオクリップを再生できることです。
エラーになった時の対処法
プロジェクトマネージャー機能はとても便利な機能ではありますが、原因不明のエラーが起こりやすいという難点もあります。
特に動画編集に使用した素材数が多かったり、ファイルの容量が大きかったりするとエラーが出やすい傾向があります。
エラー発生時には下記のように対処してみましょう。
1. 保存先パスを変更する
保存先パスの場所を変更することでエラーが解消されることがあります。特に外部ストレージに保存しようとする場合にエラー発生が多い傾向があります。
そのような場合には、一旦内部ストレージの「ドキュメント」に保存して、ファイルが生成されてから保存したい外部ストレージにファイルを移動すると良いでしょう。
2. オプションを変更する
オプション選択時に「最適化オーディオファイルを含める」と「プレビューファイルを含める」にチェックが入っていると、ファイル数やファイル容量が大きくなるため、この2つの選択を外すことでエラーが起こりにくくなることがあります。
ファイルの整理をしておくと評価アップ☆

実際にクライアントやディレクターにプロジェクトファイルを渡すときは、相手が見やすいよう整理して送ってあげると喜ばれます。
他の編集者と差がつく部分です。
プロジェクトパネルを整理

プロジェクトパネル上で、ctrl + Bで『新規ビン(フォルダ)』を作り「動画データフォルダ」「画像データフォルダ」などの名前を設定して整理しておくことで作業効率を上げることができるだけでなく、クライアント側でも非常に見やすくなるため、高評価をもらうことに繋がります。
タイムラインを整理

タイムライン上でも素材の種類や、話している人物ごとにラベルの色を変えておくと見やすくすることができます。

タイムライン上の素材は、選択した状態で右クリック→『ラベル』で好きな色に変えることができます。
このようにプロジェクトファイルを整理してから送ってあげると、クライアントに『この人、できる!』と思わせることができます。こうした気遣いで他の動画編集者に差をつけましょう!
まとめ
今回は絶対に知っておきたい『プロジェクトマネージャーの簡単な使い方』について解説しました。
非常に簡単かつ便利な機能なので、クライアントからプロジェクトファイル納品の依頼が入る前に、問題なく行えるか試しておくことで、いざ依頼が入った際に自信を持って対応できるので、一度試してみておくことをオススメします!
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