YouTube収益化の条件/広告収入/審査基準

最も収益をあげているYouTuber(ユーチューバー)は年収はなんと30億円。『チャンネル登録者数1万人以上』が、YouTubeだけで生活できる1つの基準と言われており、「不労所得」「一攫千金」を目標にYouTuberデビューする人はまだまだ増加傾向にあります。

当社にも、そんな動画クリエイターの方々から「どうしたら収益化できるの?」「収益化のためのポイントは?」という質問が多く届きます。本記事では、YouTubeの収益化について、種類別に「条件」や「設定」「ポイント」を詳しく解説していきたいと思います。

YouTubeの収益方法

YouTube収益化の「条件」

YouTubeパートナープログラムに参加することで、もっともポピュラーな『広告収入』や、その他にも『チャンネルメンバーシップ』『ショッピング』『スーパーチャット/スーパーステッカー』『スーパーサンクス』『YouTube Premium』など、様々な収益がYouTubeで得られるようになります。

収益方法①:広告収入

YouTubeの収益方法の中で最もよく知られている方法です。配信した動画の冒頭や最後、または途中に広告が表示され、広告出稿にかけられた金額の一定割合を収入として得ることができます。表示する広告種類は動画配信者側で設定が可能で以下の様な種類があります。

主な広告の種類
  1.  スキップが可能な動画広告
    開始5秒後にスキップが可能な動画広告
  2. スキップが不可な動画広告
    15秒以下の動画広告(スキップ不可)
  3. バンパー広告
    6秒間の短い動画広告(スキップ不可)
  4. オーバーレイ広告
    再生画面の下部に表示される横長の『バナー画像』または『テキスト』広告

収益方法②:チャンネルメンバーシップ

チャンネルの熱心なファンが自ら月額料金を支払うことで、コンテンツ配信者を支援しながらメンバー限定の特典を獲得できる仕組みです。月額料金は90円~6,000円の間で配信者側で設定することができ、そのうち3割はYouTube側へ、残りの7割が配信者の収益となります。

収益方法③:ショッピング

自身のECストア(Shopfy、Spreadshop、SUZURI、Spring)で販売している商品をYouTubeチャンネル内で販売することで収益を得る方法です。配信している動画コンテンツはもちろん、ライブ配信でも活用でき、動画の終了画面や再生中の動画上、概要欄にリンクを設置することが可能です。

収益方法④:スーパーチャット/スーパーステッカーズ

ライブ配信やプレミア公開の際の『投げ銭機能』のことで、視聴者は100円〜50,000円までの範囲で、配信者に投げ銭を送ることが出来ます。金額によって、コメント欄の自身のコメントが固定表示される時間を長くしたり、目立つアニメーションメッセージを送信できる仕組みです。送られた投げ銭金額の7割程度が配信者の収益になります。

収益方法⑤:スーパーサンクス

前述の2つ同様に『投げ銭機能』のことで、視聴者は投げ銭の金額によって、コメント欄の自身のコメントを目立たせることができます。前述の2つとの違いは『スーパーチャット』『スーパーステッカーズ』はライブ配信時に利用できる機能なのに対し、『スーパーサンクス』はライブ配信以外の投稿動画でも利用できることと、以下のように送れる投げ銭金額が決まっていることです。こちらも投げ銭金額の7割程度が配信者の収益になります。

ブラウザの場合YouTubeアプリの場合
200円250円
500円610円
1,000円1,220円
5,000円6,100円

収益方法⑥:YouTube Premiumの収入

Premium会員である動画視聴者には広告が表示されないため、配信者側の広告収益はゼロになりますが、Premium会員である視聴者によって視聴された動画の配信者には、下記Premium会員の月額料金の一部が『視聴時間』に応じて支払われることで収益となります。

プラン月額(税込)
個人用メンバーシップ1,180円
ファミリープラン1,780円
学割プラン680円

YouTube収益化の条件

YouTube収益化の「設定」

YouTubeは、アカウントを作成して動画をアップロードすれば収益が得られるというわけではなく、YouTubeパートナープログラムに参加することで、収益が得られるようになります。ここでは、『広告収入』を得るために定められている「参加条件」について説明していきます。

YouTubeパートナープログラムへの参加条件
  1. チャンネル登録者数が1,000人以上である
  2. 直近12ヶ月間の長尺動画総再生時間が4,000時間以上、または、直近90日間の公開ショート動画の視聴回数が1,000万回以上
  3. YouTubeの収益化ポリシーを満たしている
  4. 18歳以上である

参加条件①: チャンネル登録者数

収益化のための条件の中でも、最も難易度が高いと言われているのが、この条件です。どんなに「再生時間」を稼ぐことができたとしても、「チャンネル登録者数」が1,000人に満たなければ、条件クリアとはなりません。視聴者は、登録者数が少ないチャンネルに対して「面白くない」という先入観を持ちやすいため、総再生時間を伸ばすには、視聴者の興味を惹きつけられるような動画を作り続けることで、チャンネル登録者数を増やすことが重要です。

参加条件②:総再生時間・視聴回数

収益化には、公開動画コンテンツの、直近12カ月の長尺動画総再生時間が「4,000時間以上」であるか、直近90日間の公開ショート動画の視聴回数が「1000万回以上」である必要があります。また、この「再生時間」は、「一般公開されている動画のみ」が対象であり、「限定公開」や「非公開」「削除された動画」「広告キャンペーン」は対象外となっているので、注意が必要です。

参加条件③:収益化ポリシー

収益化には、YouTubeの収益化ポリシーを満たすことも必要です。リンク先でも確認できますが、大きく分けると、「収益化ポリシー」には上記のような項目があります。どれも「常識の範囲内」なことばかりですが、アップロードした動画が、「収益化ポリシー」に違反しているとYouTube側に判断されてしまうと、「BAN(禁止)」の対象となってしまいますので、それぞれ、しっかりと目を通すようにしましょう。

参加条件④:年齢制限

YouTubeパートナープログラムに参加にするには18歳以上である必要があります。18歳になってからでないと、収益支払いに使用する「Google AdSenseのアカウント」と「YouTubeアカウント」の紐づけることができないことが年齢制限の理由ですが、18歳未満の場合であっても、18歳以上の保護者が所有しているAdSenseアカウントにGoogleアカウントをリンクさせることで条件をクリアすることが可能です。

  チャンネルの基準 最小要件
チャンネルメンバーシップ
  1. チャンネル登録者数が 500 人以上
  2. 過去 90 日間でアップロードした公開動画が 3 本以上
  3. 次のいずれかを満たしている
    ・公開されている長尺動画の過去 365 日間における総再生時間が 3,000 時間以上
    ・公開されているショート動画の過去 90 日間の視聴回数が 300 万回以上
  1. 18歳以上である
  2. チャンネル メンバーシップを利用できる国や地域に居住している
  3. 課金型製品モジュールまたは以前入手可能だった課金型製品に関する覚書に同意している
  4. チャンネルが公式アーティストチャンネルとして設定されておらず、子ども向けに設定された動画や、対象外の動画の数が多くない
  5. SRAV 契約の下で運営されている音楽チャンネルではない
  6. 要件の詳細については、こちらをご覧ください
ショッピング
(自分の商品)
  1. チャンネル登録者数が基準に達している、または公式アーティストチャンネルである
  2. チャンネルが子ども向けとして設定されておらず、子ども向けに設定された動画の数が多くない
  3. チャンネル収益化ポリシーに違反する動画の数が多くない
  4. ヘイトスピーチに関するコミュニティガイドラインの違反警告を受けていない
  5. 要件の詳細については、こちらをご覧ください
スーパーチャット/スーパーステッカーズ
  1. 18歳以上である
  2. 『スーパーチャット』と『スーパーステッカーズ』を利用できる国や地域に居住している
  3. 課金型製品モジュールまたは以前入手可能だった課金型製品に関する覚書に同意している
  4. 要件の詳細については、こちらをご覧ください
スーパーサンクス
  1. 18歳以上である
  2. 『スーパーサンクス』を利用できる国や地域に居住している
  3. 課金型製品モジュールまたは以前入手可能だった課金型製品に関する覚書に同意している
  4. SRAV 契約の下で運営されている音楽チャンネルではない
  5. 要件の詳細については、こちらをご覧ください
広告収入
  1. チャンネル登録者数 1,000 人
  2. 次のいずれかを満たしている
    ・公開されている長尺動画の過去 365 日間における総再生時間が 4,000 時間以上
    ・公開されているショート動画の過去 90 日間の視聴回数が 1,000 万回以上
  1. 18歳以上である、または AdSense 経由での支払いに対応可能な 18歳以上の法的保護者がいる
  2. YouTube パートナープログラムを利用できる国や地域に居住している
  3. 関連する契約モジュールに同意する
  4. 広告掲載に適したコンテンツのガイドラインに準拠したコンテンツを作成している
YouTube Premiumの収入
  1. 関連する契約モジュールに同意する
  2. 作成したコンテンツが YouTube Premium 加入ユーザーに視聴される
ショッピング
(他のブランド商品)
  1. チャンネル登録者数が 20,000 人以上
  2. 次のいずれかを満たしている
    ・公開されている長尺動画の過去 365 日間における総再生時間が 4,000 時間以上
    ・公開されているショート動画の過去 90 日間の視聴回数が 1,000 万回以上
  1. チャンネル登録者数の基準に達している
  2. 韓国または米国に居住している
  3. チャンネルが音楽チャンネル、公式アーティスト チャンネルではない、または音楽パートナーに関連付けられていない。音楽パートナーには、音楽レーベル、音楽配信会社、VEVO が含まれます
  4. チャンネルが子ども向けとして設定されておらず、子ども向けに設定された動画の数が多くない
  5. 要件の詳細については、こちらをご覧ください

YouTube収益化の設定

ここまでは、収益化のための「条件」について見てきました。無事、全ての条件を満たすことができたら、すぐに収益を得られるというわけではありません。条件クリア後は、収益を受け取るための各種設定を行う必要があります。ここでは、収益化のために、どのような設定を行う必要があるのかについて、解説していきます。

設定①:YouTube Studioにて審査申請

チェック内容
  • 主なテーマ
  • 再生回数の多い動画
  • 最新の動画
  • 総再生時間の多くを占める部分
  • 動画のメタデータ(タイトル、サムネイル、説明など)

条件達成後、 まず行う必要があるのが、「審査申請」です。YouTubeの管理画面である「YouTube Studio」にログインし、左側のメニュー項目から「収益受け取り」ををクリック後、遷移後のページで「申し込む」をクリック。表示される『YouTubeパートナープログラム規定』の内容を確認し、問題がなければ同意して次へ進みましょう。YouTube の審査担当者は、チャンネルの「代表的なコンテンツ」を「ポリシー」と照らし合わせて審査を行います。審査時には、チャンネルの、上記ポイントを重視しているようですが、これらは審査担当者が評価するコンテンツの一例でしかないため、チャンネルの他の部分も参照する場合はあります。

設定②:Google AdSenseアカウント取得

設定①が完了すると「Google AdSenseに申し込む」と表示されるます。Google AdSenseのサイトに遷移したら、YouTube用のGoogleアカウントを選択して紐づけを行います。収益化したい自身のYouTubeチャンネルのURLを入力し、画面案内に従って各項目の入力を行ったら、「アカウントを作成」をクリックしましょう。審査の所要時間は、申請時の混み具合や、内容によって異なりますが、最短3日程度~最長1ヶ月程度はかかると覚えておきましょう。尚、アカウント作成のタイミングで、18歳未満の方は、AdSenseへ参加することができなくなっていますが、18歳以上の保護者が所有するAdSenseアカウントに紐づけることでこの条件はクリアとなりますので、18歳未満の方で、YouTubeの収益化を目指している方は、この件について保護者に相談してみましょう。

設定③:広告フォーマットの設定

審査・Google AdSenseの紐づけが完了したら、YouTube Studioから「広告をオンにする」をクリックし、希望する「広告のフォーマット」を設定しましょう。この広告フォーマットは複数選択することも可能です。また、収益化したい動画コンテンツについては、動画コンテンツごとに「個別に選択」することも、「全既存動画を選択」することも可能です。全既存動画を選択すると、これまで投稿してきた動画コンテンツの「収益化」が順次進んでいきます。

おまけ:審査に落ちてしまったら

条件を全てのクリアして審査の申請を出しのに、「審査に通らなかった」という話をよく聞きます。もし、審査に通過できなかった場合は、投稿動画がYouTubeの規約に違反していないかを落ち着いて確認してみましょう。違反している動画があれば削除し、再度審査申請を出すことで審査に通過することがあります。中には2回3回と複数回審査に申請して通る方もいるので、確認してみた結果、特に規約に違反していないようであれば、何もせずに再度審査依頼を出してみましょう。

YouTube収益化のポイント

YouTubeで収益化を目指すためには、「チャンネル登録者数」や「動画の再生時間」を増やすことが最も重要であると言えます。では具体的には「チャンネル登録者数」や「動画の再生時間」を増やすためには、どのようなことをすれば良いのでしょうか。ここでは、特に押さえるべき重要なポイントを3つ絞って解説していきます。

ポイント①:ターゲティング

まず、動画を通して「誰」に「何」を伝えたいのかを明確にすることが重要です。動画をどのようなターゲット(年齢・性別・職業・趣味etc…)に見てほしいかを予め定めておくことで、投稿する動画のジャンルを選定することができます。このターゲティングが曖昧なまま動画コンテンツの投稿を進めてしまうと、アップロード動画数とチャンネル登録者数が比例せず、無駄な「労力」と「時間」を費やすことになってしまいます。収益化の条件の「参加条件①」でも説明したように、「チャンネル登録者数が1,000人以上」という条件があるため、「このチャンネルは面白い!」と思ってもらえるように、しっかりとターゲティング設定をしておきましょう。

ポイント②:「飽きさせない動画」の投稿

せっかく動画を作って投稿しても、視聴者が動画の途中で離脱してしまうと、再生時間は伸びません。収益化するためには、当たり前かもしれませんが、視聴者が途中で飽きてしまわないような動画コンテンツを作るのことが重要です。「話が面白くなければいけない」とか「企画力がなければいけない」ということではなく、次のような点を意識することで、誰にでも必ず「飽きさせない動画」は作ることができます。

飽きさせない動画の作り方
  1. 起承転結を意識した構成(台本)作り
    ※「話し手」がいる場合は、喜怒哀楽など、抑揚を意識して話すようにしましょう
  2. エフェクトを加えて動画のクオリティを上げる
    ※クオリティが低い動画は「離脱率上昇」の原因となります
  3. テロップを入れる際は「座布団」と言われるテロップ背景を付ける
    ※動画のジャンルによる

ポイント③:「動画タイトル」「サムネイル」「概要欄」の工夫

YouTube動画は、Googleの検索結果にも表示されます。YouTubeで収益化を狙うためには、「既存の視聴者が離れないようにすること」もとても大事なことですが、それと同時に、「新規の視聴者の獲得」を意識し続ける必要があります。まだ見ぬ新しい視聴者を獲得するためには、大きく分けて以下の2つが重要です。

1. 検索結果に表示させる

まずは、「検索結果」に表示されないことには始まりません。この「検索結果に表示」というのは、「ポイント①」で説明したターゲティングの際に定めた、「ターゲット層の検索結果に表示」という意味になります。動画のタイトルや概要欄が、検索結果に表示されるためにはとても重要なポイントです。自分の「ターゲット層」が検索をしそうなキーワードを考えいくつも箇条書きにして出してみましょう。この際「Googleキーワードプランナー」というツールを使用すると、各キーワードをどれくらいの人が検索しているのかが事前に分かるため非常に便利です。そして、その文言を上手く組み立てて「動画のタイトル」や「概要欄」に記載しておくことで、検索結果に表示されやすくすることができます。特に動画のタイトルはSEO的に見ても最も重要な部分になるため、「動画の内容が分かりやすい」という理由だけで、安易にタイトルを決めてしまわないように注意しましょう。

2. 動画をクリックしてもらう

ターゲット層の検索結果に表示がされるようになったら、次は動画をクリックしてもらう必要があります。せっかく検索結果としてヒットしても、クリックされなければ、視聴には繋がらないからです。ここで重要になってくるのが各動画に設定できる「サムネイル画像」です。サムネイル画像というのは検索結果やオススメ動画一覧に表示される小さな画像のことです。このサムネイル画像は、動画の内容をターゲット層に一目で伝えられる「看板」の役割をはたしています。ターゲットとなるユーザーの目に留まるサムネイル画像を作成するコツは下記3つです。

YouTube収益化のまとめ

今回はYouTubeの収益化について「方法」や「条件」「設定」「ポイント」についてご紹介しました。YouTubeで収益を得るのは決して簡単なことではありません。ですが、上記のようなポイントを押さえておくことで、その他大勢のユーチューバーさんよりも、1歩前に進むことができます。この記事が、YouTubeの収益化を目指す皆さんのお役に立てれば幸いです。