採用動画のトレンド/求人効果/構成ポイント

近頃、企業の採用広報の一環として、新卒採用・中途採用ともに『採用動画』を取り入れる企業が急増しているのをご存知でしょうか。既存社員への1日密着取材動画や、インタビュー動画など、各社、様々な手法を駆使し、他社との差別化をはかっています。

本記事では、そんな『採用動画』とはそもそもどんなものなのか、どんな「メリット」「デメリット」「活用ポイント」があるのかについて、詳しく解説していきたいと思います。

採用動画とは

『採用動画』とは、企業の採用活動において、候補者に会社をより深く理解してもらうことを目的として、企業情報を動画にまとめたもののことをいいます。

これまでの採用活動では、テキストベースの媒体が主流でしたが、急加速するオンライン化に伴い、仕事内容や会社の雰囲気をより分かりやすく伝えることができる『採用動画』を活用することが当たり前となってきています。

採用動画の種類 内容
インタビュー動画 既存社員、役員、代表取締役などに対してインタビューを実施し、『やりがい』『大変なこと』『楽しいと感じるとき』『意識していること』などを紹介
1日密着動画 社員に1日密着をして、「〇時~〇時は〇〇をしている」という実際の1日のスケジュールを紹介
オフィスツアー動画 『仕事』『会議』『休憩』はどこで行うのかや、オフィスのこだわりや意識しているポイントなどを紹介
会社説明動画 どのような『事業』に取り組んでいて、なぜその事業に取り組んでいるのか、最終的には何を目指すのかなどを紹介
代表的な採用活動例
  • 募集職種に特化した求人広告媒体への掲載
  • 自社オウンドメディアの露出
  • 会社説明会などのイベント開催
  • 独自の福利厚生の導入
  • インターン制度の導入
  • 採用動画の活用
    etc…

採用動画のメリット

スマートフォンの普及などにより、日常的に動画コンテンツを目にするようになった現在、採用動画を導入する企業が一般的となっていますが、採用動画を活用することでどのような効果があるのでしょうか。ここでは、採用活動において動画を活用する具体的なメリットを説明します。

メリット①:圧倒的な情報量

採用動画の活用メリット1

動画を活用する最大のメリットは、映像・音声・テロップ(字幕)をまとめて一つの情報として発信できる点です。従来の「テキスト」や「静止画」をベースとした手法と比較すると「動画」を活用した場合の情報量は5000倍と言われており、文字や写真だけでは伝えきれない部分をより分かり易く、短時間で候補者に伝えることが可能です。

メリット②:ミスマッチの防止

採用動画の活用メリット2

採用動画では候補者に対して、会社のリアルな雰囲気を伝えることができるため、入社後の早期退職などのミスマッチの可能性を軽減する効果があります。また、求めるターゲット層に合致する動画を制作することで、求める人材に対し効率的にアピールするこが可能です。たとえば、男性社員が多い職場で女性も募集したい場合、男性だけの職場でないことや、女性に特化した福利厚生がある、という部分を見せるとより効果的です。

メリット③:差別化をはかりやすい

採用動画の活用メリット3

『バラエティ風』や『ドラマ風』など、一風変わった採用動画を制作することで、他社との差別化をはかり、候補者の記憶・印象により大きなインパクトを残すことが可能です。最近では、『VTuber(ブイチューバー)』として、CGキャラクター(アバター)を用いて会社紹介をする採用動画や、社員一同がダンスを踊るなど、個性的なアピールをおこなう企業が増えています。

メリット④:応募促進

採用動画の活用メリット4

動画はSNSに投稿することができるため、多くの求職者の目に止まりやすいというメリットがあります。就職・転職時にスマホで動画を視聴する求職者は非常に多く、X(旧Twitter)やFacebookといった各種SNSに、親しみやすい内容で宣伝を行うことにより、「認知度向上」や「応募促進」に効果的です。

採用動画のデメリット

次に、採用動画の活用のデメリットについてです。採用動画を活用する場合のメリットが多くあるとは言え、当然、デメリットも存在します。メリットだけでなく、デメリットについてもしっかりと把握・理解をしたうえで、採用動画を活用するか否かを検討するようにしましょう。

デメリット①:制作コストの発生

採用動画の活用デメリット4

採用動画を社内で制作している会社もありますが、動画制作には多くの『時間』と『労力』に加え『専門知識』も必要であり、せっかく制作しても、クオリティの低い動画となってしまっては意味がありません。撮影だけは自社で行い、動画制作は外注するというのが一般的ですが、外注するとなれば、当然「外注費」が発生します。料金は制作会社によって異なるため、予算感や依頼内容などを含め、自社に合った動画制作会社を探す必要があります。

デメリット②:悪い印象を与える可能性

採用動画の活用デメリット3

「テキスト」や「静止画」のみの場合と比べ、様々なことを伝えることに優れている「採用動画」ですが、必ずしも作り手側の意図がそのまま視聴者に届くとは限りません。例えば、「雰囲気」や「人間関係」の良さをアピールするために、和気あいあいとした雑談風景をまとめた動画でも、視聴者によっては「楽しそうだけど溶け込むのが大変そう」といった印象を持つ可能性もあります。このように、様々なことが伝わりやすい「動画」だからこそ、意図していることをしっかり視聴者に届けられるように意識して、採用動画を活用することが大切です。

デメリット③:速度制限による影響

採用動画の活用デメリット1

求職者は、移動時間などのちょっとした空き時間を利用して、スマートフォンなどで求人情報を閲覧することが多くあります。そのため、通信量を多く使う必要のある「動画の閲覧」は、スマートフォンの通信速度制限を気にしている人からは、見てもらえたない可能性があります。

デメリット④:最後まで見てもらえない可能性

採用動画の活用デメリット2

社内の雰囲気をしっかり伝えようとするあまり、「長すぎる動画」を制作してしまうことで、動画を最後まで見てもらえない可能性が高くなります。求人原稿に、最適な「書き方」や「文字数」があるのと同様、採用動画にも、「最適な再生時間」があります。求人情報を見ている段階から、その会社に対して深い興味を持っている求職者はそれほど多くなく、長い動画を最後まで見ようと思う求職者は中々いません。採用動画は長くても5分以内を目安に制作するようにしましょう。

採用動画のポイント

採用動画の活用には様々なメリット・デメリットがありますが、ただ動画を制作すれば良いというわけではありません。ここでは、採用動画制作時の代表的なポイントに絞って説明していきます。

ポイント①:目的の明確化

採用動画を活用するメリット

採用動画を制作にするにあたり、まず初めに行うべきなのが『採用動画活用の目的』を明確にしておくことです。ここで明確にする『目的』は、動画制作における『軸』となるものなので、動画制作を社内で行うにしても外注するにしても、初めに決めておく必要があります。どんな人にどんな動画を届けたいのかを決めて、そこにマッチする動画を制作していくことが重要です。

ポイント②:動画の再生時間

採用動画を活用するデメリット

たくさんのことアピールしようとするあまり、動画の尺が長くなりすぎてしまうと、動画を最後まで見てもらえない可能性が出てきます。『内容』だけではなく、動画視聴者が飽きてしまわないような「テンポ」を意識するように心がけましょう。また、動画の冒頭に5秒~20秒程度のオープニング動画を活用することで、動画冒頭で視聴者の興味・関心度を上げるのに効果的です。

ポイント③:「誇張」より「リアル」

採用動画の活用メリット5

候補者へのアピールを心掛け過ぎて、会社の良い部分ばかりを紹介してしまうと、入社後にギャップを感じてしまい、ミスマッチに繋がってしまう可能性があります。会社の良い部分をアピールすることは大切ですが、会社にマッチした人材を獲得するためにも、良い面ばかりではなく改善が必要だと感じている部分も含めて、会社紹介をすることが重要です。

採用動画のまとめ

今回は、「採用動画」について「メリット」「デメリット」「活用ポイント」にを説明してきました。「テキスト」や「静止画」だけの採用情報は「言葉で表現できること」しか伝えることができず、しっかり伝えようとすることで、文字数が多くなりすぎて、しっかり読んでもらえない可能性が高くなってしまいますが、「動画」を活用することで、リアルな印象・雰囲気を求職者に伝えることができます。

大手企業からベンチャー企業まで、あらゆる企業の採用手法の1つとして、採用動画を活用する企業増えていますが、メリット・デメリットをしっかりと把握したうえで、採用動画を効果的に採用活動に活かしていきましょう。