動画マーケティングのメリット/デメリット

昨今、「動画の時代」とも言われおり、YouTubeをはじめとする動画プラットフォームやSNS上で、数多くの「動画広告」を目にする機会が増加しました。また、これまで動画は「視聴するもの」でしたが、最近では、TikTokのように短尺の動画を作成してその場でアップロードできるものや、17Liveのようにリアルタイムで動画を配信し、視聴者とコミュニケーションを取れるものなど、動画の在り方も大きく変化しました。本記事では「動画マーケティング」について「メリット」「デメリット」「活用ポイント」を詳しく解説していきたいと思います。

動画マーケティングのメリット

動画マーケティングのメリット

「動画の時代」と言われる時代背景もあり、企業側が自社のマーケティング施策に「動画」を活用する場面が急増しています。この「動画市場」に企業がどう参入していくかは、PR戦略を考える上で欠かせない部分と言えるでしょう。では、具体的に「動画」を活用することで、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

メリット① 動画ならではの優位性

動きがある

人間は、「動物的本能」から動くものに対して、集中力が向上します。「テキスト」や「静止画」のみの情報には動きがありませんが、「動画」は複数枚の静止画を高速で動かしているため、常に、人やアニメーション、風景などに動きがあり、視聴者に集中して見てもらえる効果があります。

感情の繋がり

人間には「ミラーニューロン細胞」と呼ばれる、他人が起こした行動を、自分が起こした行動のように認識する細胞があります。ミラーニューロン細胞の影響として代表的なものが「感情移入」です。この性質を「動画」を用いて利用することで、ターゲットとなる視聴者との間に感情的繋がりを作り、ブランドロイヤリティの向上が期待できます。

多くの情報が正確に伝わる

人は「動き」だけでなく「ビジュアル」にも素早く反応する性質を持っており、0.1秒という反射的スピードで、目にした内容を理解しようとすると言われています。動画には「音」「動き」「時間軸」という様々な要素が含まれているため、「テキストのみ」「画像のみ」の場合と比べて、遥かに多くの情報量を瞬時に視聴者に届けることが可能で、複雑な内容であっても、短時間で分かりやすく視聴者に伝えることができます。

記憶にのこる

いかに目を引く「動画」でも、感情移入を引き起こす「動画」でも、記憶に残らなければ「広告効果」としては半減です。近年では、動画による「記憶定着率」の高さが明らかになっており、アメリカ国立訓練研究所が提唱する「ラーニングピラミッド」によると、「テキスト」を読んだ際の記憶定着率が10%なのに対し、「動画」を視聴者した際の記憶定着率は、なんと20%を超えるそうです。つまり「動画」を活用することにより、「テキストのみ」の場合と比較して、2倍も記憶に残りやすくすることが可能になります。

メリット② 圧倒的な拡散性

メリット② 圧倒的な拡散性

動画コンテンツ活用の利点の1つは、「拡散力」に長けているという点です。動画は「Facebook」や「Instagram」などの各種SNSとの相性が非常に良く、「リツイート」や「シェア」によって、視聴者から、そのまた別の視聴者へ拡散されやすいコンテンツです。各種SNSと連携しておけば、企業のWebサイトからでは届けきることができなかったターゲット層にも、効果的に拡散することが可能です。

メリット③ SEO効果への期待

メリット③ SEO効果への期待

世界最大の動画配信プラットフォームであるYouTubeは、Google傘下のサービスであるため、YouTubeで配信された「動画」はGoogleの検索結果で上位に表示されやすい傾向があり、より多くの視聴者から、動画を視聴してもらえる可能性を高めることができます。さらに、企業ホームページなどのWebサイトでも、「テキストのみ」や「静止画のみ」の場合に比べ、動画が掲載されている方が、検索エンジンが良質なWebサイトだと判断して、SEO効果が高まると言われています。

動画マーケティングのデメリット

動画マーケティングのデメリット

PR戦略において「動画」がいかに重要であるかが理解できたと思います。「動画」を活用している企業が急増していることからも、メリットがたくさんあるのは間違いありませんが、デメリットがないわけではありません。ここでは、「動画」を活用することによって生じるデメリットについて解説しておきましょう。

デメリット① 「コスト」や「時間」がかかる

社内リソースを使用して動画を制作する場合は、動画制作のための専門知識に加え、構成を考え、内容に沿ってスケジュールを組み、撮影や編集もしなければなりません。また、他社に編集・制作を依頼する場合には、編集・制作にかかる時間は大幅に短縮できますが、外注費用が発生します。費用対効果もふまえて、検討するようにしましょう。

デメリット② ブランドのイメージを損なう可能性

自社制作で動画を制作しても、専門知識が必要となる「手ぶれ補正」「音量調整」「明るさ調整」が施されていない、クオリティの低い動画となった場合には、企業ブランドのイメージダウンに繋がる可能性があります。動画制作に関する経験やノウハウがない場合は、編集作業だけでも専門の会社に依頼することを検討した方が良いかもしれません。

動画マーケティングの活用ポイント

動画マーケティングの活用ポイント

動画の活用のシーンとしては、主に次の3つがあります。

  • 製品・サービス説明として
  • 採用活動など、企業PRとして
  • 営業ツールとして

どのようなシーンで「動画」を活用したいのかなど、より効果的な「動画」を制作するためにも、おさえておきたいポイントについてご紹介します。

ポイント① 冒頭5秒が重要

例えば、YouTubeを見ているユーザーは、動画冒頭で「面白くない」と感じたら、すぐに別の動画を見ようとするでしょう。視聴者は、その動画への興味・関心度を、無意識のうちに冒頭5秒程度で判断していると言われています。そのため動画コンテンツは、いかに最初の5秒で視聴者の興味を引き付け、「最後まで見たい」と思ってもらえるかどうかが重要と言えます。

ポイント② 尺を長くし過ぎない

テレビCMと違い、Web動画には尺の縛りがない分、より多くのことをアピールするために、比較的長い動画を作成することが可能です。ですが長過ぎる動画は、その分飛ばされやすくなり、最後まで見てもらえる可能性が低くなってしまいます。そのため、事前に何分程度の動画を作成するのかを意識して撮影をするようにしましょう。

ポイント③ テレビCMとの違いの理解する

同じ「動画」であっても、「Web動画」と「テレビCM」ではまったく異なります。基本的に、Web動画はCMのように流れてくるのを受動的に見るものではなく、自ら能動的に視聴をするものであるため、より内容が重要になります。視聴者の興味のあるものがどれだけ作れるかがポイントになります。また、ただ動画を作るだけではなく、広告で動画をアピールするなど、見てもらうための施策も大切です。

動画マーケティングのまとめ

今回は「動画マーケティング」について、「メリット」「デメリット」「活用ポイント」の紹介をしました。PR戦略を行ううえで、今や欠かすことのできない「動画マーケティング」。他社に遅れをとらないためだけに動画マーケティングを安易に活用することは、逆効果にも繋がりかねないため、「動画」ならではのメリットとデメリットをしっかり理解したうえで、最良の方法で活用するようにしましょう。