ロゴマークは『シンボルマーク』と『ロゴタイプ』という複数種類の集合体であるこということをご存知でしょうか。最近は独学でデザインを学んでいるフリーランスのロゴデザイナーさんも増加傾向にあり、ご依頼者様以外にも、クリエイターの方からロゴに関する様々な質問が寄せられています。本記事ではそんな『ロゴ』に関する質問の中で最も多い、『ロゴ』の特徴を種類別にご紹介していきます。
ロゴとは
『Logo(ロゴ)』と言えば、一般的には、社名や団体名、商標名、商品名などの文字やマークを図案化したもののこと言いますが、デザイン業界の中でもロゴに対する認識は必ずしも統一されておらず、ロゴ作成の際や、ロゴ作成の依頼時には、作成の範囲なども含めて、依頼者側と制作者側の認識をすり合わせておきましょう。
ロゴマークとは
『ロゴマーク』とは『Logo(ロゴ)』と『Mark(マーク)』を組み合わせた和製英語です。先に述べているように、ロゴに対する認識は必ずしも統一はされていないものの、一般的には上記画像のように『シンボルマーク』、『ロゴタイプ』、もしくはこの2つを合わせたもののことを指し、英語では『ロゴタイプ』を略して『ロゴ』と呼ばれています。
シンボルマークとロゴタイプを別々に作成しておくことで、必要に応じてシンボルマークとロゴタイプを選んで柔軟に使い分けることができます。
シンボルマークとは
『シンボルマーク』とは、企業、団体、商品、個人などを象徴するシンボルのことを指します。たとえば、当社ベルウェザーのシンボルマークは、羊の群れを先導する雄羊、NIKEのシンプルなシンボルマークは、スピードや運動能力などを表しています。シンボルマークをデザインする際は、対象の背景にある目的や、伝えたいメッセージが重要になってきます。
シンボルマークの長所・短所
長所①:視認性の高さ
抽象的な概念や価値を、具体的な形やデザインで表現することで、「想い」や「ストーリー」が視覚的に伝わり、一目でそのコンセプトを感じ取ることができるうえ、インパクトの強さから記憶にも残りやすいことが最大の長所といえるでしょう。
長所②:信頼性の獲得
シンボルマークがない場合、それだけで「イメージダウンに繋がる」「コンセプトが分からない」などマイナスの印象を与えてしまうことがあり、あるだけで信頼性の獲得に繋がりやすいというのも長所の1つと言えます。
短所①:あくまでも「マーク」
シンボルマークは『マーク』なので、社名や団体名、商標名、商品名などは覚えてもらえない可能性があります。十分に認知されている場合であれば有効な一方、認知度が高くない段階では、シンボルマークだけでは効果は薄いでしょう。
シンボルマークがおすすめの場合
下記に当てはまるようであれば、シンボルマークの作成は非常に効果的です。
- マークで伝えたいメッセージがある
- ブランドを代表するシンボルが作りたい
- ブランドの製品・サービスなどを視覚的に表現したい
- シンボルマークを作るだけの予算がある
新しい企業、団体、商品、個人などにとっては、シンボルマークのみでは抽象的すぎる可能性があるため、ロゴタイプと併せて作成しておくと良いでしょう。
シンボルマーク作成のポイント
当然なことかもしれませんが、重要な点なのであえて記載しておきます。デザインの際は、下記のポイントに気をつけてシンボルマークを作成していきましょう。
ロゴタイプとは
『ロゴタイプ』とは、社名や団体名、商標名、商品名などの文字を図案化したものを指します。この用語は、イギリスの活字鋳造所で2字以上の文字や単語(ロゴ)を、1本の活字(タイプ)に鋳造したことが由来となっています。例えば、求人広告媒体の「doda」のロゴや、「バイトル」のロゴなどが『ロゴタイプ』です。
ロゴタイプの長所と短所
長所①:名称を覚えてもらいやすい
企業名や商品名など、文字で読むことができるため、小さく表示されても大きく表示されてもより認識しやすく、しっかり覚えてもらえるというのが最大の長所といえます。
長所②:汎用性の高さ
より単純な造形の方が何に使用しても違和感は少なくなるため、汎用性が高く、多岐に渡る媒体へも活用しやすくすることができます。
長所③:コスト削減
印刷物など塗料を使用する際、使用色数が少ないロゴタイプは、長期間で考えると大きなコスト削減に繋がります。
短所①:コンセプトが伝わりにくい
シンボルマークを使用せずロゴタイプのみになると、まだ知名度が高くない名称の場合は、何をしているのかが伝わりずらいというのが最大の短所といえます。
短所②:使用色が限られる
『文字』として認識してもらうためには、黒・赤・青など、見やすい色を単色で使用する必要があるため、企業カラーなどのコンセプトカラーによっては使用できない可能性があります。
ロゴタイプがおすすめの場合
以下の3つにピンときたら、ロゴタイプを使うと効果的です。
- とにかく名称を知ってもらいたい
- 名称が短いため、ロゴタイプにしやすい
- 名称をブランド名に使いたい
名称が長すぎる場合にはロゴタイプとしておすすめできないので注意が必要です。また、時代背景などにあわせて、将来的にロゴタイプを調整・修正することも視野に入れておきましょう。
ロゴタイプ作成のポイント
下記は、ロゴタイプを作成する際に気を付けるべき4つのポイントになります。
また、デザインの際の微調整方法についても見ていきましょう。
まとめ
今回は『ロゴ』の特徴を種類別に解説してきました。ひとことで『ロゴ』といっても、『シンボルマーク』と『ロゴタイプ』には、それぞれの長所・短所と、作成のポイントがあることをご理解いただけたと思います。ロゴ作成の際に重要なのは、見た者の印象に残るインパクトと、会社やブランドのコンセプトが伝わる分かり易いデザインを意識することです。
今回ご紹介した内容を参考に、ユニークなロゴを作成していきましょう。