動画編集の基礎知識/フレームレート・コーデック・アスペクト比とは

最低限知っておくべき基礎知識

はじめての方へ

動画編集ソフトの環境設定やビデオ書き出し設定など、YouTuberデビューをするにも、動画編集の副業を始めるにも『動画編集』を始めるなら、必ず知っておくべき基礎知識があります。

基礎知識が「ある」か「ない」かで、始めたあとの成長スピードに大きな差が出てきます。難しい内容ではないので一緒に学んでいきましょう。

基礎知識①:フレームレート(fps)

動画というのは、パラパラ漫画のように、1枚1枚の静止画を高速で連続再生したものを指しており、動画1秒間に何枚の静止画を再生させるのかを表す数値のことを「フレームレート(fps)」と呼びます。fpsは「frames per second(フレーム・パー・セコンド)」の略語です。日本のテレビ放送は30fps(静止画30枚)で、映画は24fps(静止画24枚)であるため、30fps程度の動画であれば、日本人が違和感を感じることは少ないでしょう。

フレームレート数が高くなるほど、動画は滑らかな動きになり、美しい映像を映し出すようになりますが、同時にデータ容量も大きくなるため、頭に入れておきましょう。このフレームレートはカメラの設定でも出てくるので覚えておくとよいでしょう。

フレームレートの値

・24fps:1秒間に24枚の静止画で作られた動画
・30fps:1秒間に30枚の静止画で作られた動画
・60fps:1秒間に60枚の静止画で作られた動画
120fps:1秒間に120枚の静止画で作られた動画

フレームレート数用途
3~5fps防犯カメラ・監視カメラなど
24fps(23.98fps)映画
25fps欧州のテレビやDVD(PAL圏内)
30fps(29.97fps)日本のテレビやDVD(HTSC圏内)
50fps欧州の4K・8KテレビやDVD(PAL圏内)
60fps(59.94fps)日本の4K・8KテレビやDVD(HTSC圏内)
120fps(119.88fps)~240fps一部のスポーツ用途カメラ、ゲームや3D映画など

基礎知識②:ビットレート(bps)

1秒間のデータ転送量を表す数値のことを「ビットレート(bps)」と呼びます。bpsは「bit Per Second(ビット・パー・セコンド)」の略語です。動画のビットレート(bps)には、「映像ビットレート」と「音声ビットレート」の2種類があり、この2種椎を合計した値を「オーバルビットレート」と呼ばれます。

動画でいうと単純にデータ量が多ければ高画質になります。逆にデータ量が少なければ画質が荒くなります。

mp3などの音楽ファイルやインターネットのデータ通信量もビットレートと言います。

音声ビットレート

音声1秒間あたりのデータの値です。平均的な値として96bps〜128kbpsほどになり、高音質になると192〜320kbpsほどのデータ量になります。一般的には、映像ビットレートと比べて、音声ビットレートのデータ量は小さくなります

映像ビットレート

映像1秒間あたりのデータの値です。大体の値は500kbps〜70Mbpsと幅が広いうえに、構成する要素は多く、「解像度」や「フレームレート」などさまざまな要素に影響されるため、動画ファイル全体のビットレートの多くは、この映像ビットレートが占めることが一般的です。

オーバルビットレート

「音声ビットレート」と「映像ビットレート」の2つを合わせた値です。先述したように、動画ファイル全体のビットレートのほとんどを映像ビットレートが占めるため、「映像ビットレート」の値と、オーバルビットレートの値は自然と近くなります。

基礎知識③:アスペクト比(○:○)

アスペクト比は「画像比率」ともいわれており、画面の「幅」と「高さ」の数値比率を表す言葉です。アスペクト比は「4:3」や「16:9」が主流となっており、左側の数字(4、16)は幅の比率、右の数字(3、9)は高さの比率を表しています。

例えば、4:3(スタンダード)は正方形に近い横長、16:9(ワイド)は横に長い長方形ということになります。

現在、動画の上映に使用するスクリーンやプロジェクターは、これら2つの比率が混在しており、動画をイメージ通りに見てもらうためにも、制作する前にどのタイプのスクリーンに映すのかをしっかりすり合わせておく必要があります。

注意点

動画編集ソフトではデフォルトで16:9のフルハイビジョンサイズになっていることがほとんどですが、設定がよくわからず4:3のSDサイズにしてしまっているケースも見受けられるので気を付けましょう!

アスペクト比主な利用シーン
16:9地上波デジタル放送、YouTube
4:3地上波放送(デジタル移行以前)
2.35:1映画
9:16スマホ用の縦長動画
16:10パソコンのディスプレイ
1:1インスタグラム

基礎知識④:解像度(○×○/○p)

動画を構成する点(ピクセル)の「密度」のことを指しており、1インチの中に、このピクセルが何個含まれているかを表しています。この解像度が高くなればなるほど、きれいな高画質動画となり、低ければ低いほど、映像はもちろん、文字などの情報が読み取りにくくなります。下記は代表的なサイズの「名称」と「解像度」になります。

【SD】720×480(480p)

SD画質は、2011年まで使用されていたアナログ放送の標準画質(DVDレベルの画質)です。スマホなどの小さな画面で視る分には良いですが、タブレットやパソコンで見ると画質の粗さが気になります。

【HD】1280×720(720p)

Blu-rayディスクに比べると少し粗く、地デジよりもやや劣る解像度となっていますが、タブレットやPCで視るときれいに視聴できるため、動画配信サービスの中でもHD画質の動画は多く扱われています。

【フルHD】1920×1080(1080p)

フルハイビジョン呼ばれる、現在のBlu-rayディスクやデジタル放送の最大の解像度であり、この解像度であれば鮮明なHDデジタル動画を映しながらも、ストレージを多く使用することはありません。一般的なweb動画やTV、youtubeなどでも多い解像度です。

【4K】3840×2160(2160p)

フルHDの縦、横ともに、解像度が2倍あり、フルHDが約207万画素であるのに対して、4Kはなんとその4倍の約829万画素となります。れまでの映像よりきめ細かな映像を表現することができるようになりました。

【8K】7680×4320(4320p)

最大級の臨場感を表現できる解像度で、被写体のブレが従来の解像度よりも削減され、より鮮明にはっきりとした映像を表現できます。また、映像を実際の色に極力近づけるために、色域もBT.2020に対応しており、明暗をはっきりと区別できるようになっています。

基礎知識⑤:コンテナ

「動画」というものは、「映像ファイル」と「音声ファイル」の2つで構成されていますが、この2つのファイルが格納される箱をコンテナと言います。このコンテナの種類が動画ファイルの拡張子になります。代表的な各拡張子のファイル名とその特徴を下記にまとめておきます。

拡張子特徴
AVI(.avi)・汎用性が高い
・ほとんどのコーデックを使用可能
MP4(.mp4)・AVIよりも汎用性が高い
・ブラウザの種類を気にせずに使用可能
MOV(.mov)・Apple社が開発した動画形式
・汎用性が高い
WMV(.wmv)・ストリーミング再生向け
・著作権を守る機能が付いているため動画配信サービスなどで普及
FLV(.flv)・Adobe Flash Playerをイインストールしていれば様々なブラウザや環境で再生可能
MPEG(.mpg)・MPEG2-PSはDVDに記録される動画用
・MPEG2-TSはデータが途中で切れていても再生できるため全世界の地上波放送で採用されている

基礎知識⑥:コーデック

「動画」は複数枚「静止画」を高速で連続再生させたものであることはお話ししましたが、全ての静止画を繋げると、とてつもない膨大なファイルサイズになってしまうため、通常は圧縮をして「静止画」を繋げ合わせます(「動画」にします)。コーデックとは、この「ファイル圧縮プログラム」のことを言います。代表的な動画コーデックとその特徴を下記にまとめておきます。

動画コーデックコンテナ特徴
H.264.mp4
.m2ts
.m4v
.avi
高画質動画の主流となっている規格です。MPEG-4を超える高画質でありながら圧縮サイズも小さめですが、再生時の負荷は大きい。
MPEG-2.mpg
.m2v
テレビのデジタル放送を中心に利用されています。
MPEG-4.mp4
.mpg
.3gp
モバイル機器でのネット動画の視聴を想定し開発された規格。高画質にして圧縮サイズも小さい。

最低限知っておくべき基礎知識のまとめ

いかがでしたでしょうか。もちろん動画編集を進めていくと他にも様々な知識が必要になりますが、まず一番初めに知るべきなのはこの辺りかと思います。『何となく』で動画の書き出しなどをしてしまうと、のちのち思わぬトラブルを招く結果に繋がることもありますので、しっかりとした知識を付けて動画編集ライフを楽しみましょう!